Results
研究成果
お台場海水浴予報システムの開発
Related
関連する研究項目
Research member
研究メンバー
- 古米 弘明【中央大学研究開発機構 機構教授/博士(工学)】
Purpose
研究目的
お台場海浜公園は臨海副都心内の最大の公園で、海辺の公園ならではの施設を備えた貴重な親水空間である。お台場海浜公園内は通常は遊泳禁止となっているものの、晴天時の糞便性大腸菌群数は水浴基準を満たしている。しかし、降雨後には合流式下水道雨天時越流水(CSO)の影響を受けて、糞便汚染指標である大腸菌濃度が上昇する。その濃度変化は、越流水量の時空間分布や潮汐条件に大きく影響を受けることから、衛生面での安全性を確保して海水浴を継続的に実現するためには、水浴の適・不適判断を行うための情報として糞便汚染状況の予測が求められる。そこで、お台場海浜公園周辺海域の糞便汚染に影響を及ぼす区部における合流式下水道雨天時越流水(CSO)量分布を反映可能なように降雨を類型化して、その類型化降雨ごとに3次元流動水質モデルを用いて、お台場海浜公園における大腸菌濃度変化を計算する。その計算結果を、降雨タイプごとの大腸菌濃度変化データベースとする。そして、発生した降雨のタイプ分けをすることにより、降雨後の大腸菌濃度変化の予測を行い、水浴場の水質判定基準値への適・不適を判断する海水浴予報システムを構築することを目的とした。
Results
研究成果
-
様々な潮汐条件における大腸菌濃度変化
雨天時越流水量の空間分布を反映できるように類型化された降雨に対して、様々な潮汐条件において降雨が発生した場合を想定した大腸菌濃度の経時変化を得た。例として、図2に降雨グループ1Bの計算結果を示す。降雨量の少ない場合は、降雨発生における大潮や小潮、満潮や干潮、上げ潮や下げ潮など潮汐条件により、大腸菌濃度変化は大きく異なる。隅田川から河口域のCSO由来の糞便汚染水塊が潮汐作用を受けてお台場海浜公園まで移動する時間が異なることや、流下過程における希釈、塩分や太陽光による不活化の影響を受けていることを反映している。
-
降雨グループの大腸菌濃度変化データベース
上記のように大腸菌濃度変化は、降雨発生時の潮汐条件によって影響を受ける。したがって、お台場海浜公園における水浴の可否判断に利用するには、安全側の大腸菌濃度の予測結果が求められる。そこで、各降雨グループの代表的な降雨について上記の8つの潮汐条件での濃度経時変化を得て、それらの包絡線を得ることで安全側の大腸菌濃度変化データベースとして構築した。その包絡線データの例を図3に示す。
降雨発生から8-12時間程度で、お台場海浜公園での大腸菌濃度は急上昇して、その後徐々に低下する。水浴用途の水質環境基準の大腸菌数(300CFU/100ml)以下に低下するまでの日数は、小降雨グループ1でも4-5日となる。降雨グループ2,3,4と降雨量が多くなるにつれて6日程度まで長くなる。さらに、降雨量の多い降雨グループ5では、7日程度経過して基準値以下となることが想定される。
-
海水浴予報システムの活用手順
類型化された降雨グループごとに、降雨後の糞便汚染状況を予測するための大腸菌濃度経時変化の包絡線を得ることで安全側の大腸菌濃度変化のデータベースを新たに構築できた。したがって、夏季において発生した降雨に対して、どの降雨グループにあてはまるかを判定することで、当該グループに対応した大腸菌濃度変化データを参照してお台場海浜公園における水浴の可否判断と水浴可能となるまでの経過日数の予想に利用するシステムとした。